診療科目
予防歯科
定期的な検査やクリーニングを行い、お口の健康維持管理に努めています。
お口の健康を
バイオフィルムから守りましょう!
くっついてはがれない困った性質の【バイオフィルム】
バイオフィルムという言葉を聞いたことがありますか?お風呂のパイプや下水管の内側に見られるヌルヌルは、身近なバイオフィルムの例です。その他にも、人体に埋め込んだ医療用の人口器具や尿道カテーテルの表面などに見られ、院内感染の原因として問題視されています。
バイオフィルムの特徴は、表面にくっつく性質が強く、簡単にははがれないことと、抗菌性の薬も透過させないほど強いことです。物理的に取り除くしか方法がありません。
プラーク(歯垢)もバイオフィルム!
歯の表面についているプラークもバイオフィルムです。虫歯の原因菌は、お口に入ってきた砂糖を栄養源としてネバネバした物質をつくり、歯の表面にしっかりくっつき、それが溜まって厚い膜状(バイオフィルム)になります。
むし歯菌は、この膜に守られて増え続けどんどん酸をつくります。膜の内側は強い酸性となり脱灰(歯のエナメル質から成分のリンやカルシウムが溶け出す反応)が進みます。こうしてむし歯は本格化します。
歯周病もバイオフィルムが始まり
歯周病も細菌による感染症です。歯と歯肉の境目についたプラークは、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)を広げて奥に入り込みバイオフィルムを作ります。この中に強い毒素を出す細菌が繁殖し、周りの歯肉をますます攻撃するようになります。歯肉に遮られてセルフケアが十分できないので、歯の表面のものよりやっかいです。
歯の表面にバイオフィルムができるには、18時間以上かかります。
1日に一度は、プラークが簡単に落とせるうちに丁寧に歯を磨きましょう。
専門家による処置(PMTCやスケーリング/ルートプレーニング)も必要です。
キシリトールがむしば予防を
強力にサポート
キシリトールのむし歯予防効果は、1970年代フィンランドで研究され確かめられています。今では欧米諸国など世界各国でむし歯予防に使われており、日本でも1997年4月厚生省(現在の厚生労働省)が食品への利用を認可しています。
生体への安全性が高いキシリトール
白樺や樫などの樹木から抽出された成分を原料とする天然甘味料です。砂糖に近い甘さでカロリーは砂糖の3/4(3kcal/g)。血糖値を上げないので、糖尿病の医療品として昔から使われています。いちごやほうれん草などの野菜や果物にも含まれ、私たちの肝臓でも毎日つくられています。
※WHO(世界保険機構)が摂取量制限を指定していません。
むし歯予防を補助する効果
ミュータンス菌はキシリトールを分解しても、むし歯の原因となる酸や、ネバネバした物質をつくりません。そのため歯垢はさらさらとしたものとなり、ブラッシングで簡単に落とすことができます。
キシリトールはガムとして噛むことにより、唾液の分泌が促され、唾液の清浄作用・緩衝能(お口の中の酸性度を中和する力)が高まります。唾液が多いほど唾液に含まれるリンやカルシウムも多くなり、それらが歯の表面に戻る「再石灰化」の働きも強まります。その結果、歯が強くなります。
歯の表面にバイオフィルムができるには、18時間以上かかります。
1日に一度は、プラークが簡単に落とせるうちに丁寧に歯を磨きましょう。
専門家による処置(PMTCやスケーリング/ルートプレーニング)も必要です。